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ハサミをキるそらべるの夢

私がみた夢をもとに短い小説を書きます。

ルール

 

 僕は口の悪い女と夜の田舎道を歩いていた。

 

 口の悪い女はガラの悪い見た目をしており、実際にガラが悪い。というか悪ぶっている感じだろうか。いつも歩きタバコなんてしている。

 

 そんな口の悪い女がトイ・プードルの散歩をしているのは最高に笑える光景に思えた。もちろん僕は笑ったりはしないが。

 

 そのトイ・プードルは真っ白で、ショードッグのように綺麗に毛が刈られている。ちょっと香水の匂いなんてするし、お金持ち家のイヌみたいで、実際にそうだ。

 

 どうして口の悪い女がそのトイ・プードルをこんな夜に散歩しているのかは知らない。頼まれたのだろうか、僕は急について来いと言われただけだ。

 

 バス停のベンチに爺さんが座っているのが見えた。僕たちがその前を横切ろうとすると、道路に1匹の黒いイヌが現れた。

 

 その黒いイヌはおそらく雑種であり、大きかった。汚れており、痩せている。野良犬なのだろう。

 

「私はあの黒いイヌに恋しています」

 

トイ・プードルはそう言った。

 

 イヌにも恋心なんてものがあるのだろうか。僕にはよくわからなかったし、そもそも僕たちの恋心と同じ感じなのだろうか。

 

「しかしあの黒いイヌと私が結ばれることはありませんし、そんなことがあってはなりません」

 

 どうしてだろうか、野良犬と飼い犬という違いがあるからだろうか。

 

「それはルールだからだ」

 

ベンチの爺さんが言った。

 

「そうです、ルールだからです、私とあの黒いイヌが結ばれてはいけないというルールがあるです」

 

 イヌの世界は面倒なんだなと思いながら、僕と口の悪い女は歩き始めた。